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2005年 12月 22日
先日、バングラデシュ人の知り合いが結婚したばかりのイギリス人のパートナーと遊びに来てくれました。知り合って2週間で婚約するという電撃結婚で、パートナーの方とは初めてお会いしました。2人の馴れ初めとか新しい生活について嬉しそうに話しているのを、私も楽しく聞いていました。で、つい聞いてしまったんです。「赤ちゃんはどうするつもりなの?」と。元々人のプライバシーには慎重にしているつもりだし、数日前に書いたようにアメリカでの暮らしの中ではこういうプライペートな質問はかなり親しくならない限りしないようにさらに気をつけるようになりました。それなのに自然に自分の中からその質問が出てしまいました。口にしてから気がついて、「あ、ごめんなさい。いつも質問されていたら私まで同じ質問をしてしまって。」と慌てて取り消しました。二人は笑って答えてくれましたが。短い間なのに知らないうちにその文化に染まって行くのですね。
ところで今朝、こんな夢を見ました。「私の血液型はA型でなくB型で、誕生日も8月ではなく2月14日生まれだったということが明らかになる。今まで血液型による性格占いや占星術で理解していた私の性格は実は違うものだったのだと思う」 心理学を専門にしていることもあって、占いをそのまま信じる方ではありませんが、朝起きたときに「あ、自分のアイデンティティがかなり変化するときなのだ」と思いました。そして今晩、たまたまある人から聞いたのですが、バングラデシュ人の血液型は圧倒的にB型が多いそうです。うーん、私は血液型が変わるほど実はバングラデシュ人化しているのかもしれません。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com #
by dreaminglife
| 2005-12-22 03:26
| 旅
2005年 12月 20日
ベンガル語は日本語と語順が似ていて、発音もあまり難しくないそうで、日本語話者には覚えやすい言語だそうです。私もなるべく覚えようとしているのですが、「ミナサン、オハヨ、ゴザイマス」レベルから抜けていません。それでもよく聞く単語はいくつか覚えました。その一つは「エロメロ」です。これは「めちゃくちゃ」というような意味だそうです。
バングラデシュはどんな国かを表すときに「混沌」という言葉をよく使っていましたが、「エロメロ」という言葉を知るとその語感がぴったり来ます。例えば道路ですが、車線というものが全く存在しないか無視されていて、2車線分くらいの道幅に4、5台の車、ベビータクシー、リキシャがぐちゃぐちゃと走っています。反対車線に堂々とはみ出す車もよく見かけるし、中央分離帯があるところではそれが少し切れているところから反対車線に入り逆行を続ける車というのもいます。さらにこの間を人が渡って行ったり、バスから飛び降りたりしているのです。こんなエロメロな状態では交通事故がもっとあってもおかしくないと思うのですが、バングラデシュ人同士に分かる間があるようです。私のような外国人は間違ってもまねをしてはいけません。 そのエロメロを補償するように、妙に形式にこだわるところもまた面白いです。今日で研修は終わりましたが、研修中「カウンセリング研修 2005年、うんぬん」という立派な横断幕がかけられていました。また「研修終了証明書」をきちんと作らないと、参加者から文句が出るそうです。研修中の休み時間も細かく決めています(まあ、チャイを出すという都合もありますが)。10分早めに休み時間にしようとしたら、「チャイができない」というので、「休み時間は15分あるから、最後の5分にチャイが出すというのは?」と提案しましたが却下されました。このエロメロと形式が混在しているところが、かえってエロメロに拍車をかけている気もします。 研修の最後はクロージングセッションということで、いつもより早めに私の研修の時間は終わりました。さてクロージングが始まったのはいいのですが(司会は私でなくオーガナイザー)、それぞれがいろいろなアイディアを持っていて、2、3人挨拶したかと思えば(このまま全員が挨拶すると思っている人もいる)、私に感謝の気持ちを込めて贈り物をくれる人もいる、最近結婚したことを祝ってもらったお礼にお菓子を振る舞い始める人もいるなど、エロメロな最後となりました。バングラデシュの研修の最後を飾るのに相応しい終わり方でした。 明後日に日本に向かいますが、暑さとエロメロさが懐かしくなりそうです。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com #
by dreaminglife
| 2005-12-20 23:39
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2005年 12月 19日
バングラデシュでは心理学やカウンセリングということがほとんど教えられておらず、NGOのスタッフたちはストリートチルドレンを相手にしているにも関わらず、子供の心に添うという発想があまりないのです。多くのスタッフが「子供を学校に行かせるには」「子供のモチベーション(勉強、職業訓練など)をあげるには」「ボーイフレンドを作らせないようにするには」など、非常に目的志向な考え方をします。「カウンセリングをしています」と言っても、よく聞いてみると、「教育へのモチベーションを高めるために、その意義について説得する時間」であったりするようです。例えば先週(ベーシックコース)、参加者が担当している子供について相談してきたのですが、自殺を何度も図るほど追いつめられているのに、「どうしたら学校に行かせられるでしょう?」と質問してきたりします。その発想を変えてもらうということが、去年の研修や先週(ベーシックコース)の一番力を注いだところでしょう。いわば土台作りというところですが、根気もいるし、説明に工夫もいります。ファシリテーターとして「私が正しいのです」と考えを押し付けたくなる傾向にも気づかないといけません。
今日で2週目の研修も半分が終わりました。今週はアドバンスということで、参加者20名中、半数以上は去年の研修の参加者で、かなり気持ちが楽です。私の説明を自分の経験と照らし合わせながら聞いており、理解が深いですし、連想がそれぞれの中で広がっているのが分かり、教えがいがあります。研修から1年半でそれぞれが習ったことを試してみて、いろいろ工夫して、悩みながらも学んできて自信をつけていることが分かります。とても頼もしいけれど、それはやはり一緒に去年土台作りをしたからなんですね。おこがましいけれど、弟子を誇りに思う師匠のような気持ちです。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com #
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| 2005-12-19 01:13
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2005年 12月 16日
一週目の研修は先ほど、無事に終わりました。参加者の中には研修の帰りにわざわざ自分の職場に寄って、習ったばかりのことを子供に試してみたら、本当にうまくいったと喜んで報告してくれる人もいて、みなさん満足してくれたようです。でも今晩の夕食になって今までなかった食欲が急に戻ってきてたので、やはり研修中は気を張っていたようです。普段日本でやっているワークショップよりも、いろいろと大変なことも多かったです。それは去年も通った道なのですが、思い出は美化されるのでしょう。その問題に直面するまで忘れていました。
その大変さとは通訳を通しているという難しさからも来ていますが、そのNGOが組織として抱えている問題が研修にも現れてきたり、ストリートチルドレンという世界の南北問題と切り離せない問題を扱っているので、そこがグループワーク(様々なロールが浮上し緊張感が生まれる)の場になったりして、私の中のインナーワーク(自分の中で何が起こっているかを気づいて行く力)、シグナルアウェアネス(参加者から送られる様々なシグナルに気づいている)、グループワーク(グループの力動に気づいている)の全ての力を試されている感じでした。 でも終わってみれば全身を使う運動をした後のような心地よい疲労感があります。参加者から「また来て欲しい」と言われるといい気になって、登山家が苦しいのを分かっていて山を登ってしまうように、また機会があればこういう研修を引き受けてしまう予感がしています。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com #
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| 2005-12-16 00:54
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2005年 12月 15日
研修も後半に入りました。初めの緊張感がほどけて、多少のぶつかりも経た後、かなりリラックスして生き生きした雰囲気になってきました。相変わらず電車や周りで工事する音などはうるさいですし、議論が盛り上がると講師(私)を忘れて話が進んでしまうし、「スムース」というよりも「どたばた」している感じなのですが、バングラデシュらしくて面白いです。
少し話が前後するのですが、研修の前に訪れた施設の一つにガールズ・ホステルというところがありました。ここはストリートチルドレンにとって、ストリート・スクールやドロップ・イン・センターなどの施設を経てた後の、最後の施設になります。主にティーンエイジの女の子が生活をしており、ここから社会に出て行く準備をしています。他の施設に比べてそこに住んでいる子供たちの雰囲気があまりに違ってびっくりしました。まだ心の中の傷が癒えていない様子の子もいましたが、明るく優しく暖かい感じの子がとても多いのです。その中でも数名の子たちには、普通の家庭に育った子供たちよりもずっと澄んだ明るさを持っていました。この子たちはみなストリートチルドレンだったはずです。だからいろいろな苦労をしていると思うのですが、一緒にいると私たちがホッとしたり、ハッピーになったりするような雰囲気を持っていました。また、言うことが本当に核心を突いていて、賢いのです。苦労がこの子たちの魂を磨いて、その魂はダイヤのように輝いている、そんなファンタジーが湧いてきました。 何人かはこれから看護婦になるための学校に行くと言っていました。こういう看護婦さんがいる病院を想像したら心が温かくなりました。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com #
by dreaminglife
| 2005-12-15 00:36
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