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2006年 01月 08日
ベトナム戦争中、アメリカ兵が500名ものベトナム市民を虐殺したソンミ事件と呼ばれる事件がありました。そのときに身をていして虐殺を止めようとし、怪我をしたベトナム人たちを搬送したアメリカ軍のパイロット、ヒュー・トンプソンと言う人が亡くなったという短い記事を見つけました。
http://www.asahi.com/international/update/0107/002.html そんな人がいたのか!と感動してテレビをつけたり、インターネットでアメリカの新聞記事を見つけようとしましたが、彼が亡くなったことについてのテレビのニュースには見つけられませんでしたし、新聞の扱いも小さいものでした。それでも彼についての記事はインターネットでいくつも出ていたので読んでみました。その中で特に感動したのは、市民を殺そうとする仲間のアメリカ兵に銃を向けて「これ以上、ベトナム人を殺すな」と訴えた勇気もさることながら、怪我人を運んだあと本部に行き、人々に向かって"Notice, notice, notice!"(直訳だったら「気付け!」、意訳だったら「目を覚ませ!」でしょうか)と訴えたというところです。 虐殺を行ったアメリカ兵は殺人をしたくてベトナムに行った訳ではないでしょう。虐殺を正当化するのではありませんが、徴兵されて仕方なく東南アジアの一国に送られ、自分も殺される恐怖やジャングルの暑さと湿気に苦しみ、正気を失っていくことは理解できることです。でもトンプソンという人は、周りが狂気に陥って行くなか、何が起こっているか(市民が殺されている、怪我をして苦しんでいる)ことに、気付く(notice)正気を保つことができたのです。その気付きがあったから、自分の命をかけて虐殺を止めようとする勇気も出てきたのでしょう。 プロセスワークではawareness(気付き、自覚)を大事にしており、今起こっていることに注意を向け気付いていくことが、その訓練の核となります。何年も学んで少しは気付きを持てるようになったとは思いますが、上記の戦争のような極限状態でも気付きを保ち続けられるだろうかと考えると、自信をもって「はい」とは答えられません。でもいつかそういう人になりたいと思ったから、プロセスワークをやっているのだなあということを短い記事を読んで気付かせてもらいました。 *ホームページのアドレスが変わりました。 www.ayakofujisaki.com
by dreaminglife
| 2006-01-08 23:47
| エッセイ
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